四日市市の産業・観光 【工業】

工業

本市の工業については、古くより地域の資源を生かした萬古焼、植物油、魚網、手延素麺といった地場産業が盛んに営まれてきたが、大正初期から昭和初期にかけては、四日市港を物流拠点として綿糸・紡績などの繊維工業が発展。また戦時を経て昭和30年代に入ると、旧海軍燃料廠が石油化学工業基地として活用され、石油精製工場や関連化学工場等が相次いで進出した結果、わが国有数の石油化学コンビナートが形成され、高度経済成長期と相まって本市産業の基盤を築くに至った。近年は、市内陸部への加工組立型産業やハイテク産業、バイオ産業などの立地が進む一方、既存のコンビナートにおいても、従来の基礎素材型製品の製造から機能化学品などの高付加価値型製品の製造へとその転換が図られるなど、産業構造の多様化が進みつつある。こうした状況に即応した支援策として、平成12年度より「企業立地促進条例」をスタートさせ、その効果的な運用に努めてきた。また、空洞化が危惧される臨海部工業地帯について官民一体となって活性化策の検討を進める「技術集積活用型産業再生特区計画」が平成15年4月に国により「構造改革特別区域計画」として認定された。さらに、臨海部工業地帯等への研究開発機能や人材の集積を進めることで、本市が加工組立産業と連携した高度部材産業の集積地として発展するよう、平成20年3月には三重県と連携し、本市臨海部に「高度部材イノベーションセンター」を設置した。企業・大学・研究機関が有機的に連携し、常に異分野・異業種の融合や大企業と中小企業の融合を促す仕組みを構築していく中で、当地域のみならず、世界の高度部材産業のイノベーションを誘発していくための中核的拠点づくりを目指している。

 

四日市市の工業

四日市市の工業

2011年5月 四日市市(空から望む霞ヶ浦地区を中心とした四日市港)

四日市市の概要

四日市市の概要人口:314,162人

 

面積:205.58km2(2011年4月1日現在)

 

市制施行:1897年8月

 

製造品出荷額等:2兆7,044億円
日本の都市の中で第12位
(平成2008年工業統計)

日本の中心部に位置する産業都市

四日市市の工業の推移

西暦 主な出来事
1952 三菱モンサント化成(株)(現 三菱化学(株))四日市工場操業開始
1953 三菱化成(株)(現 三菱化学(株))四日市工場操業開始
1959 昭和四日市石油(株)全面操業開始
三菱油化(株)(現 三菱化学(株))四日市事業所操業開始
【第1コンビナートの稼動】
1960 日本合成ゴム(株)(現 JSR(株))四日市工場操業開始
1960 この頃から公害問題(大気汚染など)が発生
1963 大協石油(株)(現 コスモ石油(株))午起製油所操業開始
【第2コンビナートの稼動】
1965 四日市市単独による健康被害者救済制度を発足(日本初)
(後に国も同様の制度創設を追随)
1970 「四日市地域公害防止計画」の策定
2011年現在まで8期にわたる各種公害防止施策を実施
実施額:890,235百万円(国・県・市・企業の負担)
1971 新大協和石油(株)(現 東ソー(株)四日市事業所)など7社が順次操業開始
【第3コンビナートの稼動】
1977 二酸化硫黄(大気汚染)の環境基準を達成
1983 保々工業団地造成完了
八千代工業(株)四日市製作所、CKDプレシジョン(株)、(現 CKD(株))操業開始(1984)
1989 四日市南部工業団地造成完了、太陽化学(株)南部工場操業開始
1990 市民、企業、行政の努力により図られた環境改善の仕組みを海外へ移転するため、(財)国際環境技術移転センターを設立
1993 四日市ハイテク工業団地で(株)東芝四日市工場操業開始
フラッシュメモリ製造棟を2011年までに第5棟まで新設。
1995 環境改善への取り組みに対して、国連環境計画のグローバル500賞を四日市市及び市長が受賞
2000 四日市市企業立地促進条例を制定し、既存コンビナート企業の設備投資の誘発を図る
2001 三菱化学(株)エチレンプラント停止(第1コンビナート)
これにより四日市のエチレンプラントは東ソー(第2コンビナート)のみとなる
2001 四日市市臨海部工業地帯再生プログラム検討会開始
民官一体となった産業再生に向けた取り組みが始まる
2003 臨海部の再生に向けた技術集積活用型産業再生特区(コンビナート特区)認定
基礎素材型製品から機能化学品などの高付加価値型製品の製造へ構造転換が図られ始めるとともに、実証工場の集積促進が始まる
2003 四日市市民間研究立地奨励制度創設
2011 エボニックモノシランジャパン(株)操業開始

四日市市の産業の特徴(1)
~多様な産業が集積する我が国有数の「ものづくりの中心都市」~

四日市市は、臨海部における石油化学コンビナートの立地により工業都市として栄える一方で公害問題が発生しましたが、民産官一体となった努力により現在の環境は改善されています。
一方、内陸部においては、電機・電子関連産業や自動車関連産業などが集積し、また、近年、石油化学コンビナートにおいては、従来型の基礎素材産業から高付加価値型産業への転換が行われ、内陸部産業との連携が進んできています。現在、四日市市は素材を供給する川上産業から加工組立を行う川下産業まで集積する我が国有数のものづくりの中心となっています。

多様な産業が集積する我が国有数の「ものづくりの中心都市」

四日市市の産業の特徴(2)
~四日市市の産業と製造品出荷額~

順位 市区町村 人口 製造品出荷額等
(2009年確報値)
1 豊田市 42万人 9兆1073億円
2 市原市 28万人 4兆2774億円
3 大阪市 267万人 3兆7475億円
4 川崎市 143万人 3兆4736億円
5 倉敷市 48万人 3兆3222億円
6 横浜市 369万人 3兆2887億円
7 名古屋市 226万人 3兆1679億円
8 神戸市 155万人 2兆8585億円
9 堺市 84万人 2兆6453億円
10 四日市市 31万人 2兆2307億円
11 京都市 147万人 2兆1057億円
12 浜松市 82万人 2兆0981億円
13 北九州市 97万人 1兆9572億円
14 広島市 118万人 1兆8683億円
15 大分市 48万人 1兆7280億円
16 太田市 22万人 1兆7250億円
17 福山市 47万人 1兆7049億円
18 磐田市 17万人 1兆6212億円
19 姫路市 54万人 1兆6162億円
20 宇都宮市 51万人 1兆5893億円

 

 

四日市市の産業と製造品出荷額

四日市市には石油・化学、半導体、自動車、食品など多様な工業が集積しており、製造品出荷額等は2兆2307億円(2009年工業統計)で全国の都市の中で第10位と、日本を代表する工業都市の一つとなっている。

 

四日市市の産業の特徴(3)
~石油化学コンビナートとそれをサポートする関連企業(中小企業)~

石油化学コンビナートとそれをサポートする関連企業(中小企業)

四日市市の産業の特徴(4)
~産業集積の一翼を担う、優れた技術を持つ中小企業の一例~

V-200(株)伊藤製作所
順送り金型、プレス部品加工、部品組立

 

河村産業(株)
電子材料加工、絶縁材料加工

 

(株)小林機械製作所
専用工作機械設計・製作、金型設計・製作

 

(株)スエヒロEPM
搾油 ・食品機械及び設備の製作 ・プラントエンジニアリング

産業集積の一翼を担う、優れた技術を持つ中小企業の一例

 

(株)東海テクノ
環境調査分析(大気、水質など)

 

アイトム建設(株)
土木工事、舗装工事など

四日市市の環境への取り組み

四日市市の環境への取り組み グローバル500賞を受賞国際連合環境計画(UNEP)から
グローバル500賞を受賞 
(1995年6月)

 

国際環境技術移転センター(ICETT) による公害防止技術の移転

 

天津市から多くの研修生を受け入れています。
研修受入数:145名
現地セミナー参加者数:延べ504名

 

国際環境技術移転センター(ICETT) 公害防止技術の移転

 

四日市市はさらに飛躍していきます

四日市市 三重県四日市市諏訪町1-5 防霜ファンが立ち並ぶ茶畑

四日市市 三重県四日市市諏訪町1-5 防霜ファンが立ち並ぶ茶畑